春ももう終わりかという暑さである。朝晩に少し寒さを感じることがあっても、それももうしばらくしたら消えてしまうだろう。
そんな既に懐かしくなってしまった、この前の冬の話をしよう。
冬の寒い自宅の話である。
一般に、冬は部屋の中が寒い。それはなぜかというと、外が寒いからである。しかし、もう少し落ち着いて考えると、寒い屋外と暖かい屋内の間で熱のやり取りがあるので部屋が寒くなるのである。厳密な説明は省略するが、熱の移動には、壁などを通じて熱が伝わるか、隙間風など物自体が移動するか、電磁波によって伝わる輻射、の3種類ある。これらの影響が強ければ、やみくもに暖房で部屋を暖めても効果が薄いし持続もしない。
などと落ち着いて考えて、この前の冬はこれらの対策、つまり断熱をしてみることにした。
まず、部屋の一面を覆っている窓(ベランダに出ることができる)、ここを通じて徐々に部屋の空気が冷える。これを抑えるために、夜は段ボールを立てかけることにした。これだけでも窓近くの冷えが抑えられていることが肌感で分かる。冷気は足元を伝わるだろうということで、天井近くまでは気を遣わなかった。本当は気温を常にモニターし差を評価するのがスジなのだが、そこまで本気でやらなかった。
玄関も寒い。金属のドアを通じて玄関の空気が冷えていくのである。これもカーテンを作って覆ってしまうことにした。
さらに玄関のドアには新聞受けがあり、仕様により(※1)フタが開けっ放しなのでスリットの部分から隙間風が入る。これもふさいでしまうことにした。
これらにより、深夜の部屋の冷え込みがかなり抑えられた、気がする。快適だ。肌感としては明らかに差がある。本当に効果があるかどうかは、先ほど述べたように気温をモニターして定量的に評価するべきなのだが、とてもめんどくさいし個人的なこと(?)なのでお許しを。もし真面目にやるのであれば、奇数日と偶数日で断熱あり無しを切り替えながら毎日室温と外気温のログを取り、ある程度データを溜めて有意な差が見られるかを確認するのがよいだろう。寝る前に暖房を切り、主な発熱源が人間と冷蔵庫になった状態で、時間的にどのように室温が落ちていくのかを記録する。どのような指標を導入するのがよいか、理論計算ができるか、など考えるだけでもやることがいっぱいで、やる気にならない。このあたりを押さえずに適当な測定で結論を出すようなことも浅はかでやる気にならない。実験系の学生はこんなに面倒なのだ。
4月に入り、断熱セットはお片付けした。来年の冬もまた断熱することにしよう。
※1 これは換気扇をONにした際部屋が減圧されるのを防ぐため。流入のための専用の換気口がないのである。換気扇については面白いコンテンツであり、いつかブログに書こうと思いつつ書いていない。
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