冬になり気温が下がって外に出るのが億劫になってしまいがちだが、何とか体を動かそうということを、先月の近況で書いた。そんなこともあって最近は時間ができたら散歩に出かけている。大学近くの自宅から南下して四条河原町あたりまで散歩する。寒いかというとそれ程深刻な寒さではなく、防寒をして適当なスピードで歩いていけば体も温まる。おそらく散歩と同じ時間を外でじっとしていたら耐えられないだろう。徒歩というのは、目的地を目指しての移動手段としては非常にまどろっこしいが、散歩は徒歩自体を目的としているので不快ではなく、のんびりとした時間を楽しむことができている。京都の路地は曲がる角を変えることで毎回少し違う道を歩くことができ、かつ、どう曲がってもどうせ迷わない。観光スポットが放つ、旅行者を満足させてやろうというギラギラしたオーラも無い。単にそこに存在している街を、淡々と歩くということ。どうせいつか飽きるので、飽きるまで、散歩を楽しもうと思う。
さて、大学生活について。
ようやく1つ論文関係が一息ついた。無事publishされ、プレスリリースも書いて出した。国産某コンピュータのごたごたがあった時期にプレスリリースの原稿を書いており、全くもって心穏やかではなかった。研究内容をある程度平易な言葉を用いて限られた紙面の中で伝えるというのは、簡単な作業ではなかった。結構時間がかかったし、完成と思って提出した後も、広報課の人と何度かやり取りをして説明内容を書き改めたりした。結果的に、全く予想外にも多くの人の目に触れていたようだ。ただ、そのうちの何人が概要の文章まで目を通し、さらにそのうちの何人が本文のpdfを読んだのだろうか、ということを観察する限り、世の中のほとんどの「詳細」は日の目を見ないのだろう。そういうことを学んだ。
こういった一連の作業のせいで、本来進めるべき研究のスピードを非常に遅らせてしまった。原稿等、締切があるものを優先せざるを得なかったので仕方がないのだが、複数人で進めている研究なので、僕の動きが遅いことで他人に迷惑をかけてしまう。これもまた、心穏やかではなかった。取り戻そう。
例によって本は読んでいて、読みかけも含めてタイトルだけ挙げておくと、
辻田真佐憲『大本営発表』
荻上チキ『すべての新聞は「偏って」いる』
國分功一郎『中動態の世界』
國分功一郎『暇と退屈の倫理学』
森博嗣『つぶさにミルフィーユ』
山本弘『ニセ科学を10倍楽しむ本』
このあたりが11月後半から今までかな。あとは雑誌4冊と画集。こんな感じでタイトルだけ書いていると、今年読んだ本は何だったかな、などと思ったりするのだが、記録をとったりしていないし本棚にもジャンルごとで収納しているので、いつ読んだ本かということがわからない。まあ別に、他人に知らしめたいわけではないし、いいや(じゃあなんで今月はいきなり本のタイトルを列挙したんや...)。矛盾矛盾~。
よいお年を~。
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