2015年11月16日月曜日

アン・リスレゴー展


(注:作品の内容について触れています。)

アン・リスレゴー展を観に、京都芸術センターに行った話。


以前行ったPARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015で、アン・リスレゴーという人の作品を観た。
その作品がとても気に入っていたので、京都で個展が開かれているということを知り、なんてこったい、ということで観に行ったのだ。

彼女の作品は、いわゆるインスタレーション作品で、PARASOPHIAのときも今回も作風は同じで、CGアニメーションをプロジェクターで投影するもの。

PARASOPHIAでは、フクロウの映像作品がとても異彩を放っていた。
2匹の(ほぼ)シンクロしたフクロウのCG映像が壁に投影される。
そいつらが時々しゃべる。
その動きが妙な緊張感を生み、さらにそいつが謎の言葉をぼつぼつしゃべる気持ち悪さとあいまって、強烈な印象を与えていた。(PARASOPHIAのページ内に作品展示風景の動画がある。)
あの時、もうひとつ別の作品があったんだけど、それはあんまりちゃんと観てなかった。
とりあえず、建物の中を視点が動き回るような作品(これもCGのアニメーション)だったのは覚えている。
とにかく、フクロウの方は多分観に行った人全員が覚えてるんじゃないだろうか。


今回の作品も、やはり同様の、2体の動物のCG映像(そいつがしゃべる)系の作品、
そして、建物内をうろうろする作品、という前回と同じ構成。

あまり人がいなかったので、まずは、無音で建物をうろうろする(ときどき文章が表示される)映像の作品をのんびり観ていた。
かつてホテルだった建物が結晶にまみれてしまう、その過程の一部を切り取った謎の映像。
でも、こういう映像って、夢で見るよなーと思って、それほど距離感を感じることなく見入ることができた。

そしてもう一つの、動物がしゃべるやつ。
今回はキツネ的な生き物(a fox-like creature)がしゃべる。
前は2匹のフクロウが投影されていたのに対し、今回は1匹で、それを隣に設置した鏡で反射させて2匹にしていた。
フクロウのときより、迫りくるキモさがあった。
映像自体の不自然さ。
しゃべる音声の不愉快さ。
部屋の暗さ。
何の気なしに訪れた人たちが「なにこれきもーい」みたいなことを行って30秒くらいで立ち去っていった。
今回も理解しようとする気は放棄していたので、とりあえず記憶にとどめておこうと長々と立ち尽くした。
そのあと、投影されている板の裏手に回り込むと、足元で全く意味不明な映像が別のプロジェクターを使って投影されていた。メインの映像より、その事実のほうがヤバかった。
何だったんだろう。何がしたいんだ。とにかく僕に対してはすごい威力を発揮していた。


と、今回も期待通りの異常な空間を楽しむことができた。
もうさすがに彼女の作品を観ることができる機会はないかもしれない。

はがれかけてる

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