2018年12月29日土曜日

金と銀が結局一緒、みたいなやつ

おととい、研究室の忘年会があった。大学の近所にある『門』というちゃんこ鍋料理屋に行った。和風の料亭みたいな、整ったお店である。20人くらいが入れる、畳の大部屋に通され、ちゃんこ鍋を食べた。

研究の話をしてもいいが、研究の話以外のことも話したい人間なので、ひとしきりどうでもいい話を満喫した。スペース山手線は、外回りだけだと電車との摩擦を受けて線路がずるずると回転してしまうので、内回りも走らせてカウンタートルクを与えることで線路が回転しないようになっている、といった話や、スペースノイドは人工的に製造されたスペースウナギをスペース土用の丑の日に食べて、その文化はスペース平賀源内が普及させた、といった話をした。僕はいつも、だいたいこんな感じである。

お開きになって大部屋を出ようとしたところ、入り口に部屋の名前が書いてあるのを見つけた。我々が使っていた部屋は、2つの部屋をくっつけたもののようで、入り口には「白川」とと書かれた札と「東山」と書かれた札がかかっていた。「白川」と「東山」の間の襖を外して、一つにしたのである。

気になるので、隣の大部屋の名前も見てみると、「金閣」と「銀閣」が合体した大部屋だった。「白川」と「東山」の合体よりかっこいいな。金閣と銀閣が、中に入ると一緒なのか。金閣寺の中に入ると銀閣寺に出てこれるの面白いな。金閣寺と銀閣寺の間でワープ可能。忙しいときは、京都市内のワープスポットをうまく利用して、賢く移動しましょう。宇宙時代の話をしていたせいで、頭の滑舌がスムーズである。

ひとしきりワープについて考えた後に、金閣と銀閣のことを抽象化した。何事も、抽象化するのが基本である。金と銀が結局一緒。金と銀は普通一緒じゃないのに、結局一緒。金と銀が一緒ってどういう状況だろうか。

なにか良い例がないだろうか、という考え事をしてみたが、あまりうまくいかないので、こういうことに強い頼れる先輩に「金と銀が結局一緒、みたいなやつってなんかありますかね?」と聞いてみたところ、ほぼ即答で「フィンガーチョコレートみたいなやつですよね」とおっしゃった。

「フィンガーチョコレートってなんですか?」
「え?あるやん、なんか指みたいな形の金色と銀色のホイルで包んであるチョコのやつ」

あーーーあれな!小学生ぐらいのころ食べたことあるな!人差し指くらいのサイズの、ビスケットにチョコがコーティングされたあるやつ!金色のホイルで包んであるやつも、銀色のホイルで包んであるやつも、結局開けたらおんなじやつ!


さすがこういうことに強い頼れる先輩である。圧倒的に正解を出している。

それにしても、なんだあのスピードは。2日たっても、あの回答を聞いた衝撃を忘れられない。あの瞬発力は、天才のそれである。僕はあの場であと1時間悩んだとしても、「金と銀が結局一緒」から「フィンガーチョコレート」を引っ張り出してこれる気がしない。スペース平賀源内がー、とか言ってヘラヘラしている場合ではない。こんなことを即答できる思考回路をどうやって習得できるだろうか。

先輩も先輩でフィンガーチョコレートの話が気に入ったらしく、昨日早速ダイコクドラッグでフィンガーチョコレートを買ってきていた。やっぱり金と銀が結局一緒だった。

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