近況、3月と4月をまとめて書く。
まず、3月末に博士号を授与された。大きな出来事だ。人生レベルで重要なイベントだと判断し、自ら積極的に祝いにいった。これまで、研究室で3人の先輩の学士号取得を見てきたが、全員粛々と取っており「もっと盛り上がってもいいのに」と勝手に不満に思っていたのだ。博士帽というのだろうか、てっぺんが四角い板になっている黒い帽子を後輩に用意してもらった。うちの大学にそんな文化は無いのに。さらに帽子の上に、僕の研究内容を象徴する光格子中の冷却原子を模したおもちゃ(これです)を乗せて、ダブルピースで写真を撮った。これは冷却原子実験の大御所Tilman Esslinger研のノリを勝手にパクったものだ。研究室の皆さまとの集合写真も撮った。友達とご飯を食べたりもした。「祝う」という行為は、しばしば「遠慮」や「他人との比較」の結果、規模が縮小してしまう。実際それが妥当な時もある。歳を取るにつれて、祝うことが難しくなる。したがって、本当にこれは祝うべきであると判断した場合は、形式的であれ、過剰な祝福システムを用意しておいてようやくそこそこ祝うことができる。
4月。今年度から、愛知県岡崎市にある分子科学研究所というところで研究を行っている。大学というわけではないが、アカデミックで引き続き研究を行う。冷却原子実験をやるのは変わらない。4月は、実験装置や研究背景の物理を勉強し、現在の実験の進捗状況を確認したり仕事を引き継いだりした。研究提案を考えたりもして、あっという間に時間が過ぎてしまった。集中的にインプットをして、インプットした内容を早速使ってみて、自転車操業である。自分の代謝能力のようなものを確認できた。環境や立場も変わり、やっていけるのだろうか、という不安が常にある。一方で、純粋に自分にとって新しい世界を知ることができるのが楽しいという気持ちもある。どちらの気持ちも消えてはいけないと思っている。
岡崎市役所に併設された公園の遊具。方向性としては、いもむし。 |
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